植物を殖やす前に注意すること
園芸の楽しみ方は色々ですが、その中のひとつとし、
植物を殖やすことを楽しむ人も多いことでしょう。
高度な技術を持つ園芸愛好家であるなら、ある品種とある品種を掛け合せて、新しい形や色の花や葉をつける品種を、作り出す楽しみ方もあると思います。
また、殖やした植物をフリーマーケットで売ったり、道の駅で売るといった人もいるようです。
そんな楽しいことが一歩間違えば、知らずしらずに法律違反をしてしまう可能性があります。
◉種苗法
販売されている園芸植物の中には「登録品種」という種苗法に護られている品種があります。
この法律は、園芸業界が発展するよう定められたものです。
新しく作られた品種を保護することで、新品種の育成を活発化させ、それらの新種苗が適正に流通されるようにしているのです。
つまり、発明特許のような扱いです。
自分が作ったオリジナルの植物品種を「勝手に殖やされて世の中に広く流通しないように」育成者に配慮されている法律なのです。
作り手である育成者は、新しい植物の品種を作り出すと、農林水産省に行って、「この花を作ったのは自分なので、許可なく殖やしてはいけない」とするための品種登録を行います。
登録が認められた品種は、育成者が作り出したものであると主張できるので、育成者は登録品種の栽培、繁殖について許可を下す権利を得ます。
よって、育成者の許可を得ないと殖やすことができないので、植物が登録品種なのかどうかを把握しながら、栽培する必要があります。
殖やして人にあげた植物が、「法律違反になる品種」だったということが起きるかもしれません。
ただし、自分でオリジナルの品種を作ろうとする場合には、登録品種とそうでない品種を「かけ合わせる時」には、使用しても問題ないとされています。
✪品種登録の期限
育種者権の存続期間は、登録日から25年又は30年とされています。
ただし、存続期間内であっても定められた期間内に、各年分の登録料が納付されない場合や、品種登録の要件を満たしていなかったことが判明した場合、品種登録後に植物体の特性が保持されていない場合には、品種登録が取り消されます。
◉登録品種を見分ける方法
ラベルや種子袋をよく見ると、「農林水産省種苗発録(品種登録申請番号)第⚪⚪号」や「品種登録出願中、または準備中」などの記載がされています。
記載がなければ登録品種ではないということになります。
また、登録品種であることが分かりやすいマークがあります。
登録品種表示マーク(PVPマーク)と言うものです。
PVPとは、Plant Variety Protectionの略で、植物品種保護という意味です。
このマークはこれまでに、法律によって使用を義務付けされていませんでしたが、令和3年4月1日より、登録品種であることの表示が義務化され、これに伴い、これまで植物品種保護戦略フォーラムで推進してきた、「PVPマーク」が登録品種の義務表示の選択肢として利用できることになりました。
PVPマークは登録品種であることを示すマークになりますが、「登録出願中」の品種には使用できなくなるので注意が必要です。
✪令和4年4月1日から出願料が1,4000円になりました。
❉PVPマークの使用に関する情報は農林水産省のサイトへ
❄参考ホームページURL
(令和4年4月1日以後のホームページ)
農林水産省品種登録ホームページ
http://www.ninshu2.maff.go.jp
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