緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2018/12/17

クリスマスがやって来る NO.92special blog

僕は、人里離れた過疎地で生まれ育った。
右を見ても左を見ても、360度山々に囲まれたそんな山間だった。
当然店などない。
お菓子が欲しくても駄菓子屋もない。
 
 僕の家庭は特別だったわけでもないと思う。
貧しく育った人々は世の中に数えきれないほどいるからだ。

反面、それだけ多くの裕福な人々もまたいる。
しかし、そんなことで世の中のバランスが取れているなんて思わないし、そんなことも言って欲しくない。 
 しかし、当然の如く冷めた様な心持ちもいるのも確かだと思う。

クリスマスの思い出は全くと言っていいほど、いい思い出がない。

人は無いものを強く求める傾向がある。
しかし、最低限の想い出はあっていいと思う。
出来るなら全ての子どもたちに、楽しいクリスマスを迎えて欲しいと思うのです。
 しかし、そんな実行ある事を推進し、努力貢献した富裕層を見たことがない。
そこに登り詰めた本当の意味を一番理解してないのである。





グラハム·トーマスと言う薔薇 NO.91 


Rosa.  'Graham  Thomas'   殿堂入りしたイングリッシュ·ローズ



◉長いバラ栽培、改良の歴史のなかで、現在までに世に送り出されたバラの品種は二万とも三万とも言われています。

★オールドローズ再評価のきっかけを作ったグラハム·トーマス

オールドローズにバラ愛好家が興味を示すようになったのは、日本だけの傾向でなく世界的な傾向でもありました。

そのきっかけを作ったのが、英国の署名なバラ研究家のグラハム·トーマスでした。

彼は、バラ品種の歴史を追いながら、古いバラの品種の発掘をしました。

ハイブリッドティーは樹形が直線的で変化に乏しいため、他の植物と混植しづらい傾向がある。



(グラハム·トーマスにちなんだイングリッシュローズのグラハム·トーマス)

◉樹形がしなやかで、花の変化が多彩なオールドローズは、宿根草、1、2年草、球根花卉、低木などの他の植物と美的に合います。

庭に自然な姿を演出できるのです。

実際に、グラハム·トーマスは英国中の庭でその事を実演して見せました。

また、そのようなオールドローズや野性バラを収集し、それらの苗を販売する情熱的なバラ好きの業者も出現してきました。

その中には、英国のピーター·ビールスやニュージーランドのトレバー·グリフィスがいます。



◉冷涼なイギリスでは、シュラブ樹形だが温かい日本の気候では、三メートル~四メートル程まで枝先が伸び、ツルバラとなります。


                 (グラハム·トーマス)








2018/12/16

コケの胞子  NO.90

                「伸びたものが胞子」

(コケは胞子によって増える) 

植物は光がないと生きていけません。

しかしコケは屋外でも室内でも直射日光に当てるのは禁物です。

コケの葉は、断面で細胞1層(他の植物などは何層にもなっている)なので、弱い光でも十分だからです。

コケは小さな個体の集まりで適度な湿気を保っています。

湿った所に直射日光が当たると温度が高くなり蒸れてしまいます。

室内では、窓のそばに置き、直射日光はレースのカーテンで遮ります。

2~3日、室内に飾ったら、戸外の半日陰で外気に当てます。

ただし、風が強いと湿り気まで飛ばされて乾燥するので、風通しのよすぎる場所は避けます。

                (胞子が出始めたコケ)

湿り気が必要だからと言って、水をやり過ぎると失敗する例が多いようです。

水浸しでもコケは大丈夫ですが、時間がたち水が腐るとコケも腐ってしまいます。




◆苔玉では、コケと一緒に植えてある植物も水分過多により、腐ってしまいます。

一方、コケは葉が乾いて縮れていると、光が当たっていても自分で養分をつくることができません。

コケは葉が縮れていたり、触って乾いていたら水を与えます。

◉肥料は、百害あって一利なし。


コケには根がなく、土中から養分を吸収しないので肥料は不要です。

かえってカビや藻類の生える原因になってしまいます。

病害虫は、早めに対処し、葉が変色したり、カビが発生したら、早めにその部分を取り除きます。


時間はかかると思いますが、症状が軽ければ元の状態に回復することでしょう。

◉参考ブログ
※苔玉盆栽 No.52
※コケ(苔)の話 No.81
※小さな盆栽、苔玉を暮らしの中に No.97
※鉢植えのコケ管理 No.165
※花のない植物コケ胞子隠花植物 No.187







2018/12/14

#バラの原種のお話(8) NO.89

◉現代バラの主要系統に関わった野性種⑦

ロサ.フェチダ(R.foetida)

現代バラに鮮黄色を導入した黄花の種で雌雄の稔性が極めて低く、雑種起源の種とも言われています。

西アジアの乾燥地の種で、黒点病に弱いという特徴がある。

※稔性(ねんせい)=種子のできやすさのこと、雌雄ともできにくい場合は、雄しべから取れる花粉を、他の花につけてもその花の種子が取りにくく、雌しべに他の花の花粉をつけても種子が取りにくい。

※雑種起源=もとは別々の種が交雑してできた雑種が基になったもの。


                       (ロサ.フェチダ)


★初期の黄花品種が病気に弱いのはこの種に由来している。

種名のフェチダは「悪臭のある」という意味です。

独特な花の香りですが、香料科学的には柑橘系(ネーブルオレンジ)の香りに属します。

葉はリンゴのような香りがする。

後記
現代バラの主要系統に関わってきた野性種のバラを紹介してきましたが、野性種のバラはこれ以外にも特徴的なものがまだ多くあります。

そんな野性種のバラが、栽培用の基となりまた新たに個性ある品種が誕生することでしょう。

原種がなければいろんな品種のバラも無かったと思います。

野に咲く名も知れぬ野性種のバラにも、思いをはせて見ては如何でしょう。

また一つ、花々の素晴らしさを知ることでしょう。










#バラの原種のお話(7) NO.88

◉現代バラの主要系統に関わった野性種⑥

ロサ.ルキアエ(R.luciae) 和名:テリハノイバラ

本州、四国、九州、朝鮮、中国に分布します。

日当たりのよい所を好み、海岸、河原、山地て生育し葉ひ光沢があり「照る」事から、このような和名がつけられています。


(ロサ.ルキアエ)

★茎が長く伸長し、匍匐(ほふく)することが特徴です。

このような形質がツルバラの基になっています。

長くロサ.ウィクライアナ(R.wichuraiana)の学名が用いられていました。

最近、日本の植物学者により、学名の根拠となる植物標本(タイプ標本=学名をつける際に命名の基になる標本のこと)が確認され、ロサ.ルキアエを用いることとなっています。








#バラの原種のお話(6) NO.87

◉現代バラの主要系統に関わった野性種⑤

ロサ.モスカータ(R.moschata)

★ヒマラヤから小アジア、地中海(南ヨーロッパ、北アフリカ)に分布し
(ムスクローズ)とも言われ独特のムスク香(麝香=じゃこうの香りのこと)の基になった種です。

大きな花序(かじょ)に多数の白い花をつけます。


                    (ロサ.モスカータ)

◉開花期は7月以降と遅いですが、秋まで返り咲く(本来の開花の季節を過ぎた後に花が咲くこと)特徴があります。

本種は、ダマスクローズやノアゼットローズの成立に関わっています。