緑のお医者の徒然植物記

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2020/08/17

ヒサカキ No.250

ヒサカキ ツバキ科 (姫榊、非榊)

別名=イチサカキ、ヒサキ

原産地=日本(本州、四国、九州)台湾、朝鮮半島 インド、東南アジア

サカキに似て、全体が小形なので姫榊、それが訛(なま)ってヒサカキになったとする説と、榊に似ているが榊ではないと言う意味の「非ず」とする説がある。

主に山地に自生しますが、どのような生育環境にも適応する。

暖地性のサカキは関東地方以北では、ほとんど自生していないためサカキの代用として、関東地方などでは榊として売られ神棚に供えたりする。


※サカキとの違いは、サカキは葉の縁に鋸歯がないがヒサカキの葉の縁には鋸歯がある。


葉もヒサカキの方が小さい。



雌雄異株で雌しべが退化した単性花と、結実する両性花が咲く点がサカキと異なる。

花は3月~4月に咲き、花にはやや嫌な臭いがある。

果実は液果で紫色から黒く熟す。

日陰に強く、春先に刈り込み分枝させるとよい(2月~4月)刈り込みとして点在されると落葉樹を引き立てる。

刈り込みによって小枝を殖やす。

木材は木目が細かく、器具、薪炭などに利用されます。



◉肥料

12月から1月に寒肥として、有機質肥料を与える程度で十分だが、刈り込みを行う場合は4月に化成肥料を追肥として株周りに与える。

◆害虫

小枝が密生し、樹冠内の通風、日照が悪くなるとアブラムシ、カイガラムシなどが発生し、すす病を併発する場合があります。

害虫の発生時に、スミチオン乳剤1000倍液を2~3回散布し防除します。

せん定より通風、日照をよくし病変した葉はすべて取り除いて処分します。

◉せん定

自然樹形で楽しむ場合は、伸び過ぎた枝を切る程度で十分です。

小枝が密生し、雑然となりやすいので思い通りに切り詰めて整姿します。

萌芽力が強く、散らし玉などの仕立て物にできます。

生け垣の場合は初夏と秋の年2回を目安に刈り込みます。

◆生育管理

水はけ、保水ともによい腐植質に富んだやや湿潤地が最適ですが、乾燥にも強く、日光を好みますが、かなりの日陰地にもよく耐えます。

暑さに大変強い樹種です。

◉植え付け、植え替え

4月~5月 8月~10月

植え穴は大きめにとり、完熟堆肥、腐葉土をたっぷりすき込みます。

必要に応じて、冬期に油粕などを一株に対し2握りほど与えるとよいでしょう。

★殖やし方

実が黒く熟したら、種子を取り出してよく洗ってからすぐに蒔くか、湿砂中で低温貯蔵して翌春3月~4月頃に蒔きます。


✫挿し木

(4月~7月)に、2年生枝に葉を2枚から3枚つけて挿し穂にし、小粒の鹿沼土や赤玉土に斜め挿しにする。

※前年枝を3㎝ほど付けた状態で挿し穂を取ると、発根率が高くなると言う報告があります。


定植は翌年の5月に行う。

※類似種にハマヒサカキ(浜非榊)がある。

海岸地帯に生えるのでこの名がある。

ヒサカキによく似ているが葉の先端が丸みを帯びるので区別できる。


また、花が咲く時期が10月~12月で、木を埋め尽くすようにびっしりと下向きに咲くのが特徴です。