緑のお医者の徒然植物記

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2020/08/30

小高のカヤの木 NO.258

カヤ (榧)イチイ科

原産地=日本、朝鮮

雌雄異株=雄花は葉の付け根に、雌花は小枝の先に群がって咲く。

淡黄色4月~5月頃開花する。

山地に生える常緑高木で高さ20㍍以上になる。

大きなものは高さ35㍍、直径2.5㍍ほどになる。



茨城県(旧麻生町小高=現行方市小高925) 

「小高(おだか)のカヤ」

茨城県指定天然記念物(昭和33年3月12日)


葉の先端は針のようにとがるので触ると痛い。

果実は一年半をかけて熟し、秋になると緑色の果皮の先端が割れる。


                        「カヤの実」
                
カヤの実は、種子油成分が多く、かつては食用油や整髪油をこの実から搾っていた。

食用、薬用になり、種子は割って生食できる。

材は碁盤、将棋盤として使われる。

樹皮は赤褐色で縦に浅く裂け、薄く剥がれる。


       (📷2020年8月撮影)


◉小高のカヤ

樹齢約650年 幹回り6.1㍍ 樹高約21㍍

1978年(昭和53年)まで小高小学校の敷地であった。


その昔は天台宗のお寺(神宮寺)がこの地にあった。

その当時に植樹されたと伝えられている。


◆生育環境

適度に湿気を含んだ肥沃な土壌が適しているが、比較的土壌は選ばない。

ただし、過度の乾湿は避ける必要があります。

◉肥料

堆肥、油粕、化成肥料などの寒肥を施す。

★害虫は風通しが悪いとアブラムシ、カイガラムシが発生し、すす病を併発する。

スミチオン、カルホス、デナポンなどの薬剤を散布

▲せん定時期は2月~3月
植え付け移植時期は3月~4月

★殖やし方

実生、または梅雨時に挿し木する

※品種に小枝が一年おきに反転するツナキガヤ
変種にヒダリマキガヤ、ハダカガヤ、チヤボカヤなどがある。


♣日本三大カヤの木

①1954年3月20日(昭和29年)に国の天然記念物に指定された「北浜の大カヤノキ」

所在地=静岡県浜松市浜北区本沢合

②1920年7月17日(大正9年)に国の天然記念物に指定された「横室の大カヤ」

所在地=群馬県前橋市富士見町横室1023-1

③1932年7月25日(昭和7年)に国の天然記念物に指定された「与野の大カヤ」

所在地=埼玉県さいたま市中央区鈴谷4丁目13-31