緑のお医者の徒然植物記

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月曜日, 8月 31, 2020

ホトトギス (杜鵑草) No,262

ホトトギス ユリ科 宿根草

別名=ユテンソウ(油点草)

東アジアからインドにかけて、20種ほどが分布し、そのうち日本には10種余りが自生しています。

古くから茶花や切り花として利用されてきた、日本原種の園芸植物です。

花弁につく斑点の模様が、鳥の「時鳥=ホトトギス」の胸元の模様に似ている事から、この名前が付けられました。

近づいて見ると、花に入る斑紋は種類や個体によって異なり、面白いことに多くの種類が雌しべやその下の花柱まで、花被片(花弁)と同じ色や形をしています。

斑点のない白い花もあります。

植物分類学上は、花は上向きに咲くものがあり、大まかには花の向きで種類が分けられます。

また、園芸的には栽培方法の違いによって、茎が直立する種類と、茎が下垂する種類に区別できます。

※茎が直立する種類
ホトトギス、タイワンホトトギス

※茎が下垂する種類
キイジョウロホトトギス、コハクホトトギス

「杜鵑草」「時鳥草」「油点草」など、様々な漢字で表される事からも、秋の訪れを告げる花として
親しまれてきたことが伺えます。

もともと日陰の植物なので、涼しい環境を好みますが春はなるべく明るい場所で育てます。

日当たりを避け、地温が低く保たれる風通しのよい場所で管理します。




◉植え付け
3月に行います。
※茎が直立する種類は、鉢で育てるか、秋や冬に日当たりがよく、夏には半日陰になる落葉樹の下などに植え付けます。

※茎が下垂する種類は、鉢で栽培するか、庭植えにする場合は石垣や岩組みなどに植え付けし、地植えにはしません。

ホトトギスは乾燥が大敵です。

生長の盛んな春から夏にかけては、土の表面がいつも湿っている状態になるように十分に水を与えます。

水はけがよければ特に用土は選びません。

※鉢植えには硬質赤玉土4、軽石3、硬質鹿沼土3の配合土か、市販の山草培養土に腐葉土を2割程度加えて使用します。

◉肥料
生育が旺盛な4月~6月に月に一回固形の有機質肥料または、化成肥料を置き肥として施し、さらに月に2~3回液肥を与えます。

夏は施肥を止め、花が終わった株は9月下旬~10月に1回だけ固形の有機質肥料または、化成肥料を置き肥として施すか、2回液肥を与えます。

◆害虫
ナメクジ
昼間は隠れていて、夜間に活動し花や新芽、若葉を食害します。

ナメクジ殺虫剤などを使用し駆除します。

土に石灰が不足すると、被害が大きくなると言われているので、石灰を施しておくと予防になります。
お酢を少し薄めて、直接ナメクジにかけて駆除することもできます。

ビールが大好きで、誘って溺れさせる駆除法もあります。

◉せん定
茎が下垂する種類で、枝数が少ない場合は草丈を抑えて草姿のバランスをよくし、枝数、花数を多くする目的で切り戻しを行います。

5月下旬から6月中旬に、3~4節残して枝を切り戻すとその後、側枝が伸びてきます。

大株で枝数が多い場合、そのままでもたくさんの花が咲くので、切り戻さずそのまま育てて、自然な姿を楽しみます。

切り落とした枝を使って挿し木もできます。


◉殖やし方
挿し木は5月から6月が適期
先端部分は発根率が悪いので、挿し穂には枝の中間部分を使い、2節ずつにそろえ、挿し床に1節だけ挿し込みます。

1ヶ月ほどで発根するので、9月頃に移植します。

株分けは2月から3月に行います
芽を持って手でほぐすようにすると、自然に株が分かれるので、1芽ずつ植え付けます。

耐寒性があり、屋外で冬越しさせる事ができます。


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