ナツツバキ (夏椿)ツバキ科落葉樹
別名=シャラ、シャラノキ、サラソウジュ、サルナメリ
原産地=日本
(本州中南部、四国、九州)
宮城県以南の本州と四国、九州の比較的温度の高い山地に自生する、落葉高木です。
6月から7月にツバキに似た白色5弁の花が咲きます。
古くから観賞木として親しまれ、日本庭園、茶園には欠かせない花木の1つです。
別名「シャラ」は、釈迦が亡くなる時に近くに生えていたという、沙羅双樹ひ由来します。
実際の沙羅双樹は、樹高が30㍍にもなるインド原産のフタバカキ科の、熱帯性常緑高木で全く別種です。
一説によると、ある高僧が日本にも沙羅双樹があると信じて、山野を探した結果、ナツツバキを沙羅双樹と誤認して広めてしまった為に、「シャラ」の名がついたということです。
類似種に樹高、花径とも小ぶりの「ヒメシャラ」「ヒコサンヒメシャラ」があります。
ナツツバキは耐寒性がありますが、ヒメシャラは関東地方南部以南でないと、寒害を受けやすいようです。
◉生育管理
株元が乾燥しない腐植質に富んだ、湿潤な場所を好みます。
また、十分に根を張れる環境でもあることも重要です。
土の鎮圧が強く下層が固い盤状になっている庭は、乾燥しやすく根張りも悪いため、枯れ込む恐れがあります。
このような場所でも植え付けは、事前に土を深く耕して有機肥料を施して土壌改良する必要があります。
日光は好むが夏の強い日差しに長時間当たると、葉先から枯れ込みやすくなり、樹形を乱したり樹勢を弱くする原因になります。
午後の西日が強く当たらない場所や、半日陰などに植えるとよいでしょう。
◉肥料
冬期に完熟堆肥や腐葉土などを、寒肥として与えるとよいでしょう。
花つきが悪い場合は、秋口にリン酸分の多い化成肥料を少量与えます。
★病害虫の心配はまずありませんが、風通しが悪いとまれにカイガラムシが発生する場合があります。
混み合った枝葉を間引きせん定し、風通しを良くする。
◉せん定
若木のうちは特にせん定は必要ありません。
成木で横枝が伸び過ぎ、樹形が乱れたもの、混み枝が増えた場合は間引きをします。
枝の中間で切ると枯れやすいにで、必ず付け根から切る。
※ヒメシャラはナツツバキよりも小枝が多く出るようです。
花は前年の短枝につくので、枝先を切らないように注意しましょう。
◆殖やし方
実生は10月頃に種子を採り蒔きます。又は、乾燥しない日陰で保存し翌春に蒔きます。
挿し木は新梢を10㎝ほどきり、赤玉土(小粒)の挿し床に挿し、乾燥しないように管理します。
※ヒメシャラの挿し木は活着率が低く、困難なので実生で殖やします。
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