緑のお医者の徒然植物記

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2021/02/22

日本の春を彩る野草カタクリ No,384

 カタクリ ユリ科カタクリ属

別名=カタコ
古語で堅香子(かたかご)と呼ばれていた。

北米、北東アジア、朝鮮半島
サハリン、ロシアに分布する。

日本では北海道、本州、四国、九州の平野部から山地の林内にかけて分布する。

九州では熊本県のみに分布し、日本の南限とされている。

分布数が多いのは北米で、15種類以上あると言われていて、花色が黄色や白色のものがある。


                         (カタクリの群生)


カタクリは4月上旬に2枚の葉の間から細い花茎を伸ばして、先端に紅紫色の花を一輪、うつむく様に咲かせます。

群生して一面に咲くカタクリの姿は見事です。

「万葉集」の中でも歌として詠まれ、カタクリが古くから人々に親しまれていた事が推察されます。


花が美しいばかりでなく、山菜として若葉、茎、花など、茹でてお浸しなどで食べられるなど、とても有用な植物と言えるでしょう。

調理用の片栗粉はもともとカタクリの鱗茎(球根)から抽出したデンプンの事を言っていたものです。

しかし、精製量が僅かである為、ジャガイモやサツマイモから抽出したデンプン粉が用いられています。

カタクリのデンプンには、クズのデンプンのように腹痛や、体力が弱った人への下痢止め作用もあると言われています。

カタクリのデンプンに熱湯を注いでかき混ぜると、半透明にやわらかく固まります。


これに砂糖やハチミツを加えて、体力の弱った老人や幼児の腹痛の為に食べさせると下痢止めに役立つとされる。

子どもの頃食べた人も多い事だろう。

しかし、一般に市販されているジャガイモなどの片栗粉では、カタクリのような薬用はありません。

カタクリの球根はとても深い部分にあるため、簡単には抜けません。

引っ張るとすぐ切れて球根が土中に残りますが、これはカタクリの生き残る知恵とも言えるでしょう。

鉢植えで育てていると毎年球根は下へ下へと移動し、放っておくと鉢の底で平たくなってしまいます。

従って、毎年の植え替えが必要と言う話もあります。

種子をまくと、初めのうちは一枚葉で二枚葉になると花が咲きますが、花が咲くまでに7年もかかるそうです。

カタクリの葉は斑があるものだけと思われるようだが、斑がないものもある。


    関東エリアの主なカタクリの群生地







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