緑のお医者の徒然植物記

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2021/02/21

ヨモギ 薬草 No,383

 ヨモギの効能   キク科

「よもぎ餅」でお馴染みのヨモギは別名「モチグサ」と呼ばれる薬草で、道端や空き地など日本列島の至る所にある、これ程珍しい薬草もありません。

 


春先に勢いよく伸び、その高さは1㍍近くになることもあります。

春の若葉は香りも良く、天ぷらにして食べても美味です。

約400年前の中国漢方薬のバイブである「本草綱目」にも記載されている程、薬効もずば抜けています。

❆本草綱目(ほんぞうこうもく)

中国の本草学史上において、分量が最も多く内容がもっとも充実した薬学著作である。

日本でも出版数年後に初版が輸入され、本草学の基本書として大きな影響を及ぼした。

作者は明朝の医師、李時珍(りじちん)(1518〜1593年)


                         (李時珍)

日本でも「日本薬局方」に民間薬として記載され、公的にもその効能は認められている。

葉の裏の綿毛はお灸を据える時のモグサにし、干した葉は健胃整腸に効きます。

また、苦味があるので苦味健胃剤として使われます。

古来より薬湯として、腰痛、腹痛、痔などにも用いられてきました。

ヨモギほうじ茶は漢方のような芳香があり、漢方では「がいよう」と呼ばれ、身体を温める働きがある事から、冷え症に効果があるので昔から、婦人薬として使われてきました。

その他には止血効果があり、手を切ったりした時に、口の中でヨモギをクチャクチャと噛み砕き、傷口に付けて止血しました。

子どもの頃よく利用したものです。

漢方処方でも下血の止血に用いられます。

カルシウムも豊富に含まれ、カルシウム不足からくる自律神経失調症、不眠、イライラなどを沈静化させる効果も発揮します。


✿ヨモギ茶の効能

脂肪代謝を正常にして自然に痩せる。

韓国ではヨモギ茶は「痩せるお茶」として常用されています。

普通、ホルモンのバランスが崩れ、脂肪代謝が高まると太ります。

太ってくると漢方で言う血が滞る
瘀血(おけつ)と言う状態になります。

するとまた太ると言う悪循環に陥ります。

ヨモギ茶は瘀血をなくし、脂肪代謝を正常にするので自然に痩せることができると言います。

ヨモギ茶を与えたブタは脂肪が少ないと言う、データも説得力があります。

ヨモギは身体を温める働きがあるので、冷え症の人は日頃からお茶を飲めば身体も次第に温まってきます。

中国で1500年前から医草として、あらゆる婦人病に使われてきました。

生理不順、不正出血、貧血、流産防止などへの効能が知られていたのです。

✿ヨモギ風呂の効果

ヨモギをさらし袋に2〜3掴み入れて、風呂に入る1時間前から湯に入れておくと、湯がヨモギ色になります。

それからヨモギ風呂に入浴すると、身体がポカポカして1ヶ月も続けると、酷かった膝痛、腰痛が段々軽くなり、最後には痛みが消えてしまった。

肌もツルツルになり身体が温まる。

ヨモギは日干しよりも陰干しの方が精油を逃さない。

ヨモギのお湯は捨てずにまた、熱くして入浴すると一層効果的。

お湯自体はドロドロの緑色になりますが、入浴するとすぐに体中が温まる。


✿ヨモギ茶の作り方、使い方

最も葉の勢いのある5月〜6月の若葉を摘み取り、水洗いして水切りした後、細かく刻んでざるにいれ、風通しの良い場所で一週間程日干しする。

パリパリに乾いた物を乾燥剤などと一緒に、密閉容器で保管します。

一日分のヨモギ茶大さじ3~4杯を約600ccの水に入れ、1~2分沸騰させ、茶こしでこして飲みます。

そのままでは香りなども強く飲みづらいと思うので、その場合はハトムギを中に入れると飲みやすくなります。

いくつかの民間茶をブレンドして飲むのもよいでしょう。

ハチミツを入れるなど工夫して飲むのもオススメです。

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