スギ スギ科 常緑針葉高木 「杉」
原産地=日本(本州、四国、九州、屋久島)
スギの名は、真っ直ぐな木という意味の「直木、すき」が語源とされる。
日本の針葉樹では最も樹高が高くなり、日本一高い天然樹は秋田県にある58㍍、日本一太いのは屋久島の縄文杉で、幹囲16.4㍍と記録されている。
山地に生え、主に太平洋側に分布するが、日本海側に分布するものは、多雪でも枝が折れずに垂れ下がり、着地した部分から発根するので変種とされ「アシウスギ」と言う。
屋久杉のスギはヤクスギの名で呼ばれ樹齢1000年を超える。
スギは日本特有の樹種で高さは40㍍以上にもなる。
常緑針葉樹の中でも春の芽出しが美しい。
生育環境
水はけがよくしかもやや湿潤な所が適している。
芽吹きがよいので強いせん定や刈り込みを行うことができるが、適期以外は避ける。
庭植えでは円錐形か円筒形に仕立てるのが一般的で、放任しておくと高くなり過ぎる。
強いせん定は3月から4月に行う。
植え付け、移植時期は3月から4月頃だがやや難である。
肥料、害虫、病気
12月から1月に寒肥を施す。
無肥料でも育つが病害虫にかかりやすく、また樹姿も美しさを失う。
病害では枝先から褐色に変わってくる枝枯れ病が目立つ。
害虫はコガネムシによる被害がある。
コガネムシ対策はデナポンを5月頃に散布する。
殖やし方
挿し木で殖やす。
春挿しと秋挿しの2時期があるが、活着率が比較的よい春挿しが一般的です。
実生も可能ですが園芸品種には不向きである。
種類
庭木として最も多いのがヨシノスギ」です。
新芽が鮮やかな黄色を帯びる「オウゴスギ」
葉が長く枝が八方に下垂気味に伸びる「エンコウスギ」などの変種もある。
八つ房性のスギは、新芽が2年枝の側面まで多数発生するために小枝が極めてたくさん伸びる。
枝変わりから挿し木繁殖されたもので、✫矮性種であることから盆栽に仕立てられることが多い。
✫矮性種(わいせいしゅ)
主に園芸分野において著しく草丈、樹高が低いことを指す用語として用いられる。
遺伝的に矮性を示す矮性品種、矮性種も存在するが、矮化剤処理や接ぎ木によって人為的に矮化を行う例もある。
イネ科穀物などは短稈(たんかん)と表現する。
例えば、短稈コシヒカリなどと呼ぶ。
主なスギの天然記念物、巨樹
杉の大杉 国の特別天然記念物
推定樹齢3000年
かつて、美空ひばりさんが「日本一の歌手になれますように……」と願をかけたと言われる大杉で、実際日本一の歌手になった逸話は有名で「出世杉」の異名がある。
所在地=高知県大豊町杉794 (八坂神社境内)
三川村の将軍杉 国指定天然記念物
樹齢1400年
幹周り19.31㍍で日本一の太さがあるとされる。
所在地=新潟県東蒲原郡阿賀町岩谷2242
縄文杉 推定樹齢2千年〜7千2百年
屋久島では樹齢千年以上の高齢杉を屋久杉と呼び、数百年の若木は小杉と称している。
所在地=鹿児島県屋久島町宮之浦
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