クヌギ ブナ科 落葉高木
別名=ツルバミ 椚、櫟、橡
原産地=日本(岩手、秋田県以南) 朝鮮半島
東南アジア、中国、ヒマラヤ、台湾
丘陵地や里山に生え高さ15㍍程になる落葉高木で、雑木林を構成する代表的な品種の1つ。
伐採された木材は薪炭材料として、落ち葉は肥料や燃料に使われていた。
現在では椎茸栽培のほだ木(原木)として利用されている。
国木から転訛した名前だとされる。
古名を「ツルバミ」といい、古代には樹皮を染料にしたり、また薬用としても利用された。
切り倒しても株からすぐに萌芽してくるので、常に維持更新されてきた。
よく手入れされた雑木林は、明るく見通しもよく林床には、スミレ類やリンドウなど多くの草本植物が可憐な花を咲かせる。
薪や炭が使われなくなってからは、雑木林は手入れがされなくなり、笹などが生い茂り、場所によってはゴミ捨て場となっている。
生長は早く、大きくなると高さ30㍍、直径2㍍近くにもなるものがある。
葉は栗の葉に似た細長い楕円形で長さ7〜15cm、葉の先端は鋭く尖る。
実はドングリで球形、翌年10月頃に熟す。
生育環境
陽樹であるので日陰は適さない。
普通の土壌で十分育つが、適湿な肥沃地なら生育は良好となる。
肥料はほとんど必要ない。
クヌギ、コナラの仲間
アベマキ (木靑)
本州以南に自生し、葉はクヌギに似ているが葉裏に毛が密生しているので、クヌギと区別ができる。
西日本では雑木林の代表的な木で、かつては樹皮からコルクを取るめに栽培された。
「アベマキ」
ミズナラ (水楢)
日本各地の山地に自生する。
コナラとよく似ているが、コナラに比べて葉柄がごく短い。
材に多量の水分を含むのでこの名がある。
病害虫
うどん粉病、すす病、黄さび病などの病気が発生するが致命的ではない。
害虫はドクガ、コガネムシ類、カミキリムシ類などの発生もあるが致命的な被害はない。
植え付け、移植、せん定時期は2月から3月頃
11月から12月
殖やし方
通常は実生で殖やします。
実は乾燥させないようにし、秋に採り播きをする。
主なクヌギの天然記念物、巨樹
小日向のクヌギ 市指定天然記念物
所在地=長野県安曇野市明科東川手3369
阿弥陀堂のクヌギ 市指定天然記念物
所在地=秋田県大仙市清水字下黒土1281
三之蔵のクヌギ
所在地=山梨県韮崎市穂坂町三之蔵
宮久保のクヌギ 市指定天然記念物
所在地=山梨県韮崎市穂坂町宮久保
大納言塚大クヌギ
奈良県大和郡山市箕山町
淡濃山の大椚
和歌山県広川町山本
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