緑のお医者の徒然植物記

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2021/04/23

クヌギ No,444

 クヌギ ブナ科  落葉高木

別名=ツルバミ 椚、櫟、橡

原産地=日本(岩手、秋田県以南) 朝鮮半島
東南アジア、中国、ヒマラヤ、台湾

丘陵地や里山に生え高さ15㍍程になる落葉高木で、雑木林を構成する代表的な品種の1つ。

伐採された木材は薪炭材料として、落ち葉は肥料や燃料に使われていた。

現在では椎茸栽培のほだ木(原木)として利用されている。

国木から転訛した名前だとされる。

古名を「ツルバミ」といい、古代には樹皮を染料にしたり、また薬用としても利用された。

切り倒しても株からすぐに萌芽してくるので、常に維持更新されてきた。

よく手入れされた雑木林は、明るく見通しもよく林床には、スミレ類やリンドウなど多くの草本植物が可憐な花を咲かせる。

薪や炭が使われなくなってからは、雑木林は手入れがされなくなり、笹などが生い茂り、場所によってはゴミ捨て場となっている。

生長は早く、大きくなると高さ30㍍、直径2㍍近くにもなるものがある。

葉は栗の葉に似た細長い楕円形で長さ7〜15cm、葉の先端は鋭く尖る。

実はドングリで球形、翌年10月頃に熟す。




生育環境

陽樹であるので日陰は適さない。
普通の土壌で十分育つが、適湿な肥沃地なら生育は良好となる。

肥料はほとんど必要ない。

クヌギ、コナラの仲間

アベマキ (木靑)

本州以南に自生し、葉はクヌギに似ているが葉裏に毛が密生しているので、クヌギと区別ができる。

西日本では雑木林の代表的な木で、かつては樹皮からコルクを取るめに栽培された。


                                                「アベマキ」

ミズナラ (水楢)

日本各地の山地に自生する。
コナラとよく似ているが、コナラに比べて葉柄がごく短い。

材に多量の水分を含むのでこの名がある。


                                                  「ミズナラ」


カシワ( 柏、槲)

かしわ餅を包むのは柏の葉であるが、古くから食物を盛る炊葉として使われた。

日本各地の山地に自生し、波形の大きな深い鋸歯を持つ葉が特徴である。


                                                   「カシワ」


コナラ( 小楢)

コナラはクヌギと同じくブナ科の落葉高木で、雑木林の代表的な樹種で紅葉は特に美しい。


                                                      「コナラ」

病害虫

うどん粉病、すす病、黄さび病などの病気が発生するが致命的ではない。

害虫はドクガ、コガネムシ類、カミキリムシ類などの発生もあるが致命的な被害はない。


植え付け、移植、せん定時期は2月から3月頃
11月から12月


殖やし方

通常は実生で殖やします。
実は乾燥させないようにし、秋に採り播きをする。

主なクヌギの天然記念物、巨樹

小日向のクヌギ 市指定天然記念物
所在地=長野県安曇野市明科東川手3369

阿弥陀堂のクヌギ 市指定天然記念物
所在地=秋田県大仙市清水字下黒土1281

三之蔵のクヌギ
所在地=山梨県韮崎市穂坂町三之蔵
宮久保のクヌギ 市指定天然記念物
所在地=山梨県韮崎市穂坂町宮久保


大納言塚大クヌギ
奈良県大和郡山市箕山町

淡濃山の大椚
和歌山県広川町山本