緑のお医者の徒然植物記

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2021/05/20

知っておきたい肥料の知識 ⑵ No,471

 肥料の施し方

元肥の施し方には、堆肥や肥料を土地の全面にバラ撒いて耕し、土壌と肥料分をよく混ぜる「全面施肥」と種子や苗を植える所に溝を掘り、溝深くに肥料分を施す「溝施肥」があります。

全面施肥に適する浅根性植物

全面施肥は、元肥を広く浅く全面的に均一に施す方法です。

草花の苗の植え付けや、根の浅い植物野菜(果菜類)株間を狭く植え付ける生育期間が短い(葉茎菜類)などの栽培に適しています。

果菜類にはキュウリ、カボチャ、トマトなどがあり、葉茎菜類にはタマネギ、ハクサイ、キャベツなどがある。

ダイコン、ニンジン、ゴボウは根菜類でイチゴ、メロン、スイカなどは果実的野菜に属する。

浅根性の樹種はニセアカシア、ヤナギ類、エゾマツ、サクラ、他

全面施肥の方法と手順

①日本の雨が多い環境で、酸性になりがちな土壌の酸性調整と不足しがちなカルシウムとマグネシウムの補給のため、畑や花壇の全面に苦土石灰(くどせっかい)をまき、クワなどでよく耕します。

その後、1ヶ月ほど雨風に晒し土に馴染ませます。

②その後、有機質肥料や緩効性化学肥料を畑全体にばら撒き、土とよく混ぜるようにスコップなどで深く天地返しをしながら耕します。

③野菜類では畝(うね)を作ります。
花苗の場合は平らにならします。

④種子まきや苗の植え付けを行います。


土壌酸度を測定しますが、酸度計がない場合は、1㎡あたり200〜300㌘を目安に苦土石灰をまく。

尚、商品に使用量が記載されている場合は、それに従って行うこと。


溝施肥に適する深根性植物

深根性の植物や野菜、根が太く長くなる根菜類に適しています。

トマト、ナス、ダイコン、ニンジン、ゴボウなど、その他

樹種ではクヌギ、カシワ、クリ、コナラ、ケヤキ、モミ、カシ類など、その他


✻深根性の野菜には20〜30cmの深さに溝を掘って元肥を入れ、溝を土で埋めその上に畝を作ります。
苗が溝の真上にくるように植え付けると、根が溝の所まで深く伸びていきます。

✭根菜類は、種子の真下に元肥があると根が真っ直ぐに伸びず、奇形(又根ともいう)になる可能性が高いので、株間に溝を掘って元肥を施すようにします。

また種子まきは準備の後、10数日くらい経ってから行った方が、根が真っ直ぐに伸び形よく育ちます。

溝施肥の方法と手順

①全面施肥と同様に苦土石灰で土壌の酸度を調整します。

②苗を植え付ける場所、あるいは種子をまく場所に、深さ20〜30cmの苗や種子を植え付けるための溝を掘ります。

③溝の底に肥料を入れ、その上に土をかけます。

苗を植え付ける場合は、育苗ポットの土の高さと(A図)定植場所の土の高さが揃うように土を入れます。


                                    「A図」

種子をまく場合は、埋め戻してから種子をまきます。







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