緑のお医者の徒然植物記

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2020/09/19

バーベナ No,278

バーベナ クマツヅラ科  

別名=ビジョザクラ 1年草または宿根草

主に南北アメリカの熱帯から亜熱帯に分布しています。

約250の野生種があり、日本にも「クマツヅラ」1種が自生しています。

ひと昔前は冷涼な気候のヨーロッパで、改良された品種が多く、日本ではうどん粉病が出たり、高温多湿の夏に傷んだりといった問題がありました。

その後、丈夫で育てやすい品種が登場したため、今ではガーデニング素材として人気の高い草花です。




サクラに似た小花をつけるバーベナは、多種多様な園芸品種があり、立ち性、ほふく性、高性の3タイプに大別できます。

花色は赤、白、桃、紫など一般に栽培されているのは、「ビジョザクラ」と言う品種と、「宿根バーベナ」と呼ばれる品種です。

「ビジョザクラ」は暑さ、寒さに弱く、そのため秋蒔きの1年草として栽培されています。

一方、「宿根バーベナ」は暑さ、寒さに比較的強く、花色が豊富で丈夫な性質なので、コンテナや花壇などのグラウンドカバーとして人気があります。

葉の細かい切れ込みが、宿根バーベナの特徴です。

◉生育環境
日当たり、風通しの良い所で育てます。

★宿根バーベナは丈夫ですが、日当たりが不足すると、花つきが悪くなり茎葉が枯れてしまうので、室内栽培には向きません。

花が咲かなくなるのは、日光不足や過湿、乾燥、根詰まりなどが原因です。

水はけの良い用土に植え替え、伸びすぎた茎は切り詰めて回復を促します。

回復したら日当たりと風通しの良い場所に移します。

★ビジョザクラは、30度以上の高温が続くと、株が弱って花つきも悪くなります。

夏の高温期には、風通しがよく半日陰の涼しい場所で、管理する事が大切です。



◉植え付け、植え替え
※宿根バーベナの植え付けは4月下旬が適期です。

※ビジョザクラの植え付けは5月下旬が適期です。

植え付けは、一回り大きな鉢に水はけの良い用土で植え替えます。

酸性土壌を嫌うので、用土に酸度未調整のピートモスが入ってる場合は、石灰を加え元肥とし、暖効性化成肥料を1㍑当たり5㌘程混ぜておきます。

水やりは、乾燥に強い反面、多湿を苦手とするので、土の表面が乾いてから水を与えます。

ただし、あまり乾かし過ぎると、葉色が薄くなって内側に葉を巻き始め、茎がうなだれてしまいます。

★宿根バーベナは春か秋に植え替える時、株分けで株を更新できます。

ロックガーデンやハイキングバスケットに植えると、垂れ下がった枝先に咲く花が素敵です。

秋にうどん粉病が出ることがあるので、水はけの良い土を用いて植え、多湿に注意して管理します。

適切に管理すれば、春から秋、霜が降りる頃まで咲き続けます。

◉せん定
自然風の花壇に仕立てたい場合は、切り戻さなくても構いませんが、バーベナは生育旺盛なので、コンテナのように限られた空間では、植え付け後4ヶ月程で根がいっぱいに張ってしまいます。

8月下旬頃に切り戻しを行って株を更新させます。
切り戻すことにより、株元近くからわき芽が伸びてまとまった形に茂り、9月中旬頃には再び多数の花が咲き始めます。

コンテナも花壇も花を長く楽しむために、こまめに花柄摘みを行います。

◉肥料
切り戻し後は、暖効性化成肥料を1平方㍍当たり100㌘程施します。

植え替える必要はありません。
開花期間が長いので、月に1~2回薄い液肥を与えるとか、2ヶ月に1回程固形肥料を与えます。

◉殖やし方
種蒔きは春蒔き、秋蒔きが可能で春は4月、秋は9月中旬頃が適期です。

市販の種蒔き用土を利用して、平鉢や育苗箱などに蒔きます。
半日陰に置き管理します。

2週間程で発芽します。
本葉2~3枚で9㎝ポット(3号)に移します。

挿し木は春、又は秋に元気のいい枝を選んで10㎝程切り取り、赤玉土とパーライトの等量混合土に挿し、風通しの良い半日陰で管理します。

2~3週間で発根し、1~1ヶ月半後には鉢あげできます。
秋に挿し木して小苗を作れば、冬越しに便利です。