モクセイ モクセイ科「木犀」
別名=ギンモクセイ、千里香 常緑広葉花木
原産地=中国中南部の暖地性植物ですが、日本でも東北南部くらいまでは植栽可能です。
庭などに植えられ、各地で幅広く親しまれている花木です。
日本で多く見かけるのは橙黄色(とうこうしょく、とうおうしょく)の花を付ける「キンモクセイ」ですが、香りがやわらかい白い花を咲かせる「ギンモクセイ」がキンモクセイ原形種です。
香りが強く、甘い芳香が遠くまで漂う事から「千里香」と言う別名があります。
★その他の品種として
※キンモクセイよりも淡い黄色の花を付けるウスギモクセイ
※同じモクセイ科のヒイラギとの雑種と言われ、生け垣などに用いられる、ヒイラギモクセイなどが園芸種として知られています。
これらが広く親しまれる様になったのは、江戸時代以降の事です。
最も広く知られている、キンモクセイとウスギモクセイを混同する人が少なくありませんが、キンモクセイは日本では結実しないので、庭のモクセイが実を付けた場合は、ウスギモクセイだと分かります。
中国名は「桂花=けいか」と言い、単に木犀と言う場合は、ギンモクセイ(銀木犀)を指す事が多い。
よい香りを漂わせる花木の中でも特に、香りの強いジンチョウゲ、クチナシ、キンモクセイの三種は、三大香木(芳香花)と呼ばれています。
◉生育管理、環境
モクセイの仲間はどれも強い香りを放つ花を付け、樹勢も強い事から栽培は比較的容易です。
本来、日なたを好む陽樹ですが、日陰によく耐え、土質もあまり選びません。
しかし、花つきを良くし芳香を楽しむには、日照、排水のよい腐植質に富んだ肥沃な場所が最適です。
モクセイは排気ガスなどの公害にはあまり強くありません。
車の往来が激しい場所への植え付けは、避けた方がよいでしよう。
枝葉が元気な様でも、花つきが悪くなってしまいます。
◆肥料
本来モクセイは丈夫な樹木です。
肥料は春先の3月上旬に油粕と、粒状化成肥料を等量混ぜたものを、根元の大きさに応じて与えればよいでしょう。
(目安として1~3握り)
むしろ肥料は控えめにし、与え過ぎないようにしますが、特にチッソ過多にならないように注意しましょう。
◉せん定
モクセイは放任していても、丸い樹形に整いますが、大きくなるので狭い場所では、整姿が必要です。
大きくなり過ぎた木を小さくする場合は、秋の花後に花を咲かせた小枝を、1~2節残してその上の太い枝を切り、全体を詰めます。
仕立て物の場合は円筒形や球形に刈り込みます。
花芽分化期は8月で春に伸びた枝に花芽が付きます
新梢が充実していないと、花が付かないので春のせん定は、3月下旬頃までに樹形を乱す飛び枝を刈り込みます。
6月~7月に入ってから、せん定すると新梢が充実せず、花芽が付かないので注意しましょう。
◆殖やし方
今年伸びた枝を使い、葉を3~4節残してさし穂にします。
6月下旬から7月に小粒の赤玉土か鹿沼土にさし、乾燥に気をつけて管理します。
◉植え付け、移植
植え付けは4月中旬から6月中旬が適期で、植え穴に堆肥をよくすき込み、高めに植え支柱で苗木を固定します。
移植は9月から10月が適期です。
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