ブッドレア
(房藤空木) 落葉広葉低木
フジウツギ科
別名=フサフジウツギ、サマーライラック
中南米、アフリカ南部、東アジアなどに70種余りが自生しており、常緑性の仲間もあります。
一般に「ブッドレア」の名で親しまれているのは明治時代に持ち込まれた、中国原産の野生種を改良したものです。
日本の風土によく合い、野生化したものも各地で見られます。
日本の水辺に近い山野に自生する「フジウツギ」もこの仲間で、「フジ」を思わせる房状の花と、対生する葉が「ウツギ」に似ていることから、和名は「フジウツギ」と名付けられています。
日本で野生化した株が、最初に発見された地にちなんで「チチブフジウツギ」(秩父藤空木)と言う別名もある。
樹高は3~5㍍になりますが、刈り込みに強く仕立てやすいことから、庭木のほか鉢植えや切り花としても親しまれています。
5月頃から10月にかけて、房状の花が次々に開花し1つの花は1㎝ほどの小花ですが、花房の長さは20~30㎝に達します。
元々が園芸種なので花色はピンク、白、藤色、赤紫、青紫など多彩で、いずれも長い間香りのよい芳香を放ちます。
蜜腺が発達しており、花期が長いことから多種の蝶をはじめ様々な昆虫が飛来します。
その事から欧米では「バタフライブッシュ」と呼ばれています。
その他品種には葉に斑の入った「フイリフサフジウギ」
南米原産で5月頃から開花し、黄色い小花が球状に集まる「グロポーサ」などがあります。
葉は先端が細く尖った舟形で、葉裏には柔毛があります。
株全体に「ブドレジン」などのアルカロイド系の物質を含む有毒植物です。
中国では風邪の諸症状に効く鎮痛、鎮咳用の生薬として用いられていた。
南米のチリやペルーに自生す「ブッドレア·リーフ」と呼ばれる種は、ハーブ🌿として幅広く栽培され、傷薬や腹痛、消化剤として用いられています。
◉生育環境
日当たり、水はけのよい、肥沃なやや砂質土を最も好みますが、土質は特に選びません。
半日陰でも十分育ちますが、日照が不足すると花つきが悪くなります。
◆植え付け
大きめに掘った穴に完熟堆肥、腐葉土を元肥としてすき込み、肥料分のない土を★間土してから、高植えにします。
★間土(まつち)とは
植物の根と肥料の間のことで、その間に入れる土のことを言う。
直接肥料が根に触れた場合、根を傷める肥料から根を護るために入れる。
※暖効性化成肥料は、直接根に触れても問題がないので間土は不要です。
丈夫な樹種ですが、移植を嫌います。
植え替える際には、できるだけ太根を切らないように行いますが、大きな株の移植は避けた方が無難です。
耐寒性が強く、東北地方でも庭植えが可能です。
北海道でも可能と言われていますが、極寒地では冬期に鉢上げして室内で管理した方がよいでしょう。
◉肥料
寒肥として、2月頃に有機肥料を2~3握り株元に与えます。
また、花後にお礼肥として、同様に与える。
★害虫
5月~6月頃にアブラムシが発生する場合があります。
大量発生した場合は、マラソン乳剤などで防除します。
◉せん定
しなやかな枝が株立ち状に出て、半球形になります。
放任しても樹形はまとまりますが、四方にかなり枝を伸ばします。
庭の広さに合わせて、せん定して樹形を小さめに保つ必要があります。
花房は新梢の先端につき、その花が終わる頃に、下の節の芽が枝を伸ばし、その先にまた花房ができます。
基本的には春先に前年枝を切り詰め、元気な新梢の芽吹きを促します。
開花中は、ひこばえ(やご)が出やすいので、その都度地際から切り取ります。
樹形を小さく保つには、3~4年に1回を目安に、落葉期に地上30㎝ほどの高さで切り戻し、株を更新します。
◆殖やし方
実生は秋に種子を採り蒔きにします。
赤玉土小粒などのまき床に蒔き、乾燥しないように管理します。翌年定植します。
挿し木は充実した新梢を10~15㎝に切ってさし穂とし、赤玉土、鹿沼土などに挿します。
適期は6月下旬から8月上旬
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