緑のお医者の徒然植物記

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2018/11/14

冬期に利用したい薬剤 No,40

冬期限定薬剤


冬期には落葉樹はもちろん、常緑樹も休眠状態となっています。

そこで春から秋の活動・成長期には散布できない強い薬剤・高い濃度の薬剤を散布して、その効果を高めることが出来ます。

マシン油乳剤
「特徴」
マシン油乳剤は炭化水素を主成分としたもので、被覆効果があります。

乳化剤が入っているので、水を加えると牛乳のように白く濁ります。

「効果」
カイガラムシ類やダニ類(ハダニ・サビダニ)などを窒息死させます。ダニ類では幼虫だけでなく卵にも効果があります。

薬剤が害虫の体全体にかかるように、まんべんなく散布することを心がけましょう。

マシン油乳剤は害虫には有効ですが、病原菌に対する殺菌効果はありません。

「使い方」
薬剤はメスシリンダー(軽量マス)で正確にはかり、これを少量の水で溶かしたら、そこに残りの全量の水を入れよく混ぜて散布液とします。

「使用上の注意」
効果の大きい薬剤ですが、薬害が出やすいので施用濃度を厳守することが最大のポイントです。

特に落葉樹が芽吹いてから散布すると薬害が出やすいので、芽吹く時より少なくとも、1週間前には終わらせるようにしましょう。


樹勢の弱っている樹、果実がなりすぎた樹も薬害を起こしやすいので、薄めの濃度で散布します。

銅水和剤、石灰硫黄合剤と混ぜて使うことは出来ません。

石灰硫黄合剤を散布したときは、最低でも10日間は間隔をあけて散布してください。


石灰硫黄合剤
「特徴」
石灰硫黄合剤は古くから利用されてきた薬剤ですが、害虫や病原菌に何が作用するのかについて、まだ定説ありません。

活性化した硫黄が病原菌や害虫に浸透して腐食死させると言われています。

やはり薬剤が害虫の体全体にたっぷりとかかるように散布します。

 
                     「石灰硫黄合剤」

「効果」
サビ病、ウドンコ病、赤星病、黒点病など庭木や果樹の多くの病気に効果があります。

また、カイガラムシ・ハダニにも効くという便利な薬剤です。

家庭園芸ならこれで充分、という人もいるほど愛用されている薬剤です。

「使い方」
やはりメスシリンダーで正確に計量しますが、水に良く溶けるのでそのまま水で薄めることが出来ます。

原液は強いアルカリ性なので皮膚を痛める心配があります。

この薬剤を使う時にはゴム手袋の着用が原則です。

この薬剤は水で薄めると変質しやすいので、薬液を作ったらなるべく早く使うようにします。

また、散布する時には展着剤を加えて枝や葉にくっつきやすいようにします。

「使用上の注意」
高濃度で使うことが多く、しかもアルカリ性が強いので散布液が目に入ったり、薬液を吸い込むと激しく痛みます。

薬剤散布のときはメガネやマスクを着用し、散布が終わったら入浴します。

使用した器具や衣服は水で洗い、少量の酢を入れた水ですすぎましょう。

強い薬剤なので、樹勢の弱っている樹や銅水和剤を使用した直後に散布すると薬害が出ます。

マシン油乳剤を散布したときは、1ヶ月以上間隔をあけて散布してください。

*銅水和剤、ジネブ剤、マンネブ剤、スミチオン剤、マラソン剤、ケルセン剤、マシン油乳剤と混ぜて使用することはできません。

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